こんにちは！

 

小田嶋です。

 

最近、ホームエクササイズの指導方法や運動療法についてご質問をいただきます。
運動療法として、どのようなものがオススメなのか？ということです。

 

まず今回の結論からお伝えすると、
・運動療法の中で特にオススメなのは「歩行」

・運動療法はコンディショニングしてから「運動学習」を促したほうがより効果的

 

・除重力の状態での重心移動から重力下での重心移動を目指す

この３つとなります。

 

 

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運動療法とは？
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運動療法の歴史は、1970年代にまで遡ります。
この起源としては、アメリカスポーツ医学会から出された運動指針が最初とされています。
そしてこの内容は、痛みなどのトラブルを抱えていない方々が対象とされていました。

 

その後、この運動指針は有名になっていき、拡大解釈された結果、慢性疾患や治療目的とした
運動療法として使用されていきます。

 

その後に、1990年代には運動のガイドラインが再普及し、
”運動強度”に言及したものも作成されるようになりました。

 

運動療法の有用性については、さまざまな学会や研究機関が多数報告していますが、
身体に与える影響としては、エビデンスレベル(統計学的に効果のあるもの)Aには8項目があります。

 

・体力の向上
・生活の質を改善
・寝室の拡大や収縮能力の低下、心筋の線維化を予防する
・冠動脈事故発生率を減少させる
・虚血性心不全の改善
・心疾患の予後に対して期待できる
・血圧低下
・HDLの上昇、中性脂肪の低下
これらがエビデンスレベルがA判定と言われています。

 

 

 

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治療家でのエビデンスレベルを考える
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では、もっと我々治療家に直接的に結びつくエビデンスレベルはどうなっているのか？
理学療法ガイドラインをもとに見ていきます。

グレードの分類については、
A：信頼性、妥当性あり
B：信頼性、妥当性が一部分であり
C：信頼せ、妥当性は不明だが一般的に使われている

 

腰椎椎間板ヘルニアに対する運動療法、グレードC

 

腰痛に対する運動療法、推奨グレードB

 

変形性膝関節症における運動療法、推奨グレードA

・肩関節周囲炎の運動療法、推奨グレードB

ここで言えることは、疾患によって運動療法の推奨グレードは異なる。ということです。
そして、その上でとても重要なのは変形性膝関節症にてグレードAで推奨されている
Functional training program「機能的運動療法プログラム」を進めていくことです。

 

 

 

機能的な運動とは、より言語化していくと
座位、四つ這い、膝立ち位、立位などで他の動作につながる運動のことです。
さらに、これらは「日常生活に直結した」動きであることから
生活の質の改善にもつながります。

 

 

運動の接続に使う運動とは、いわば重力に抗した動きで
重心移動が肝になるということです。
そのため、除重力状態の寝返りや起き上がりから、
抗重力位での座位、四つ這い、膝立ち、立位、歩行へと段階を上げていく必要があります。

 

 

これらは日常生活と密接に関わっており、”動作の接続”がうまく行われないと
日常生活に支障を来たしやすいとも言えます。

 

 

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現代の運動療法を再考する
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あくまで、運動療法は「日常生活の改善」を目的として行われ
運動療法の真髄は”機能的な運動を促すこと”であり
それは”動作の接続が痛みなく行えること”につながります。

 

 

最初にお伝えした運動療法の起源は、健常者を対象に作られたものでしたが
我々治療家が運動を促す際には、同じようには出来ないことの方が多いです。

 

だからこそ、まずは運動をしても痛みが緩和された状態で運動ができること。
ここを目指していく必要があります。
そして、運動療法だけで痛みを無くすことは、理学療法ガイドラインのエビデンスレベルを見ると難しいです。

 

 

そこで痛みが出ずに、重力に対して動作を遂行することができる＝重力に適応した体
この状態に持っていくことが必須です。

 

上記の考え方では
広義で言えば「運動療法」になりますが
狭義で言えば「運動学習」になります。
これは似ているようで全く違う概念で、

・重心移動ができる状態
・関節が動く状態
・筋肉の緊張が取れている状態
・神経の過剰興奮が抑えられている状態

だからこそ、新しい感覚刺激が入り、正しい動作遂行が行えることによって
脳活動が修正・賦活化され、痛みの出ない「生活動作につながる運動」が完遂できるのです。

 

 

まずは動作ができる環境に整えて(体を変化させる)から運動を促すのは
すでに新しい”学習”になっているということです。

 

何を優先して行うべきか？を座学やエビデンスレベル
自分の臨床での肌感から現場に落とし込む必要があります。

 

いずれにしても、運動できる体＝重心が自由に動く体
のため、検査からその人その人にあった治療の提供をしていくことが何より大切ですね。

 

 

 

 

 

 

それでは、また書きます。

 

 

ー小田嶋庸介

 

 

 

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