こんにちは！

 

 

 

小田嶋です。

 

 

 

 

 

肩関節周囲炎の一部として見られる石灰沈着は、”石灰沈着性腱炎”と呼ばれる状態です。

 

 

 

 

 

これを知らないとそもそも肩関節周囲炎を治せないことが多い。

 

 

 

 

 

 

なので、石灰沈着はなぜ起きてくるのか？今回はここを少し深掘りながら考えていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大前提で、肩関節に石灰が沈着する理由については、未だに「完全には解明されていない」部分が多いんですが、いくつかの要因が関与していると考えられています！

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず、石灰沈着性腱炎は、肩の腱やその周囲に”カルシウムの結晶”（主にリン酸カルシウム）が沈着する病態。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これにより、肩関節に痛みや炎症が生じることがあり、石灰沈着は特に”腱板”（ローテーターカフ）と呼ばれる肩を支える筋肉群の腱に多く見られることが様々な肩関節周囲炎の論文から明らかになっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その上で、石灰化のメカニズムをいくつか挙げていきます。

 

 

 

１、腱の血流不足

 

肩関節周囲の腱には、加齢や繰り返される負荷の結果、血流が悪くなる部分がどうしてもあります。

 

 

 

特に腱板の一部は、血流が乏しいために慢性的な酸素不足に陥りやすく、このような環境が細胞の代謝に異常をきたし、”カルシウムの沈着”が起こりやすくなると考えられている。

 

 

 

 

 

※そもそも低酸素状態のところでは、コラーゲン線維の変性が起こりやすいので覚えておいてください！

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

２、細胞死と石灰化

 

腱やその周辺の組織が損傷し、細胞が死んだ場合、その細胞の周りにカルシウムが沈着することがあります。

 

 

 

 

 

これは、組織の修復過程の一環

 

 

 

 

肩関節に繰り返されるストレスや微細な損傷が、最終的に石灰化を引き起こす可能性があるってことです

 

 

 

 

 

 

 

 

３、腱の変性と石灰沈着

 

加齢や過度な使用によって腱が弱くなり、変性が進むことがあります。

 

 

 

 

この変性がカルシウム沈着の誘因となり、腱内で石灰化が進むと考えられています。

 

 

 

 

 

腱の変性が進むことで、細胞外マトリックス(細胞外基質)に異常が生じ、カルシウムが沈着しやすくなる。

 

４、ホルモンや代謝の影響

 

ホルモンの変化やカルシウム代謝の異常も、石灰沈着に関与している可能性があります。

 

 

 

特に、更年期以降の女性に石灰沈着性腱炎が多く見られることから、ホルモンバランスの変化が影響を与えていると考えられている。

 

 

 

 

 

 

 

５、遺伝的要因

 

遺伝的な要因も、石灰沈着に関与している可能性が

 

 

 

 

石灰沈着性腱炎は、家族内で見られることがあるため、遺伝的にカルシウム沈着を起こしやすい体質があると考えられているのも事実です。

 

 

 

 

 

 

 

 

ここまでは要因をお伝えしました。

 

 

 

 

石灰化によって起こる症状はどんなものか？を把握しておくと問診の時点で判断しやすいのでここから説明していきますね

 

 

 

 

 

 

石灰化が起こると、肩に炎症や痛みが生じることがほぼほぼ

 

 

 

 

 

 

石灰が腱や周囲の組織に刺激を与え、急激な痛み（急性石灰沈着性腱炎）を引き起こすことも

 

 

 

 

 

この時点で肩関節の可動域はだいぶ制限されて屈曲40度、外転20度とかで激痛です

 

 

 

 

 

 

その他にも特に夜間や安静時に強く感じられることが多いのも特徴です

 

 

 

 

 

 

実は石灰化が進行しても、痛みや症状がほとんどない場合もあり、レントゲン検査やMRIで偶然発見されることがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

石灰が自然に吸収されることもあるため、すべてのケースで治療が必要なわけではないことも注意です

 

 

 

 

 

 

 

 

なので、本当に石灰によるものなのか？それとも他の要因なのか？は検査を通して判断していく必要があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

まとめると、肩関節周囲炎における石灰化は、血流不足や腱の損傷、加齢による変性など、いくつかの要因が関与している。

 

 

 

 

 

 

石灰化そのものが問題となることもありますが、自然に吸収されることもあり、症状が軽ければ保存的な治療で軽快します。

 

 

 

 

 

 

 

症状が強い場合は、早急に可動域の確保や重心トラブルをとっていくことが必須です

 

 

 

 

それではまた書きます。

 

 

 

小田嶋庸介

 

 

 

 

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