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From：小田嶋庸介

 

 

重心のバランス戦略の観点から見ると
足関節や股関節はそれぞれバランス制御に大きく関与しています。
そのため、矢状面・前額面から見た時に
どちらにもバランス戦略に関与してくる筋肉は
トラブルを引き起こしやすいキーマッスルになります。

 

大腿筋膜張筋もその１つです。
大腿筋膜張筋は教科書的に見ると
起始：上前腸骨棘
停止：腸脛靭帯
です。

 

ですが、解剖アプリや教科書で見ていただくと
前面・側面・後面に筋幅が広がっています。
そのため、矢状面・前額面に関与しており
中殿筋の前部線維とも層構造になっているので、後面筋の滑走性を
担う上でも重要です。

 

大腿筋膜張筋は特に股関節0度の際に筋出力を発揮しやすい。
教科書的には、股関節を外転する作用は
中殿筋や小殿筋の方が優位に働き
大腿筋膜張筋は補助作用と唱えられてきました。

 

ですが、先生もご存知のように
大腿筋膜張筋は腸脛靱帯に接続しています。
このことから、研究では股関節屈曲45度での出力は低下し、
股関節0度では大腿筋膜張筋が優位に主動作筋になっていることは明らかにされている。

 

これは、股関節を屈曲に持っていくことで、大腿筋張筋が短縮することで
本来の筋出力を発揮できなかったからですね。

 

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大腿筋膜張筋の重要性
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大腿筋膜張筋は歩行時の側方への動揺を抑えることはもちろん
”椅子からの立ち上がり”においても重要な作用を示している。

 

そのほかには、バランス検査でよく用いる
片脚立位保持や片脚でのブリッジでも優位に活動する。
そのため、股関節の治療を行った後や
今回お伝えする大腿筋膜張筋へのアプローチをした際は
これらの運動学習を進めることが必須です。

 

正しい体の環境設定をしたら
正しい運動感覚をいれ、動作エラーを修正していかないと
「戻り」の症状が出やすくなります。

 

必ず、アプローチをしたら運動学習を促す。
この視点は忘れないようにしてください。

 

 

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大腿筋膜張筋を緩めるポイント
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筋肉を緩める上で、必ず必要になってくるのが
物理学の知識です。
理由は、トリガーポイントになりやすいポイントは
全て物理学で説明できるからです。

 

 

筋や神経、骨関節は全て重力に対して受動的に反応しているだけにすぎません。
重心を支持基底面内に保持(バランスを崩さないように)するために
それぞれが活動しています。

 

では、バランスを考える時に必要な学問は何か？と考えると
必ず物理学にぶつかってきます。

 

十字に引いてあるのは、股関節の軸です。
少しずれているのは許してください。
その中で、上下に引いてあるのは大腿筋膜張筋の範囲(長さ)です。
青色の線は、中心点から大腿筋膜張筋までの距離です。

青色の線は上に伸びているのと外側に伸びているもの
下方に伸びている線が3種類あります。
この中で距離が一番遠いのは上方に伸びている線です。

 

そしてこの部位が一番緩める必要がある筋の部位です。

 

この理由として、作用点(黒線の十字)から力点までの距離(青い線)は
モーメントアーム(レバーアーム)といって
長ければ長いほど、「力の発揮が必要」で負担が大きくかかりやすいポイントです。

 

 

なので、手技では筋幅である外側に伸びていく線を治療しがちなのですが
物理学の面から考えると、上の方が負担がかかりやすく
緩めていく上では重要なポイントと言えます。

 

 

緩め方は下の動画で詳しく説明しているのでご覧になってみてください。
インプットをしている際に、気づきがあれば
携帯のメモ機能などに書き残すようにしてください

【腰痛治療】動作時の腰痛は大腿筋膜張筋のここ！

 

 

それでは！

 

-小田嶋 庸介(おだじま ようすけ)

 

 

 

 

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