脊柱

2025/04/07(月)

不良姿勢から読み解く歩行能力

 

こんにちは!

 

 

小田嶋です。

 

 

 

今回は不良姿勢と歩行に関して出ている論文内容をもとに、重要な内容を共有していきたいと思います!

 

 

 

 

どうせ読むなら「記憶できる」ように読み進めてみてください。

同じ時間を使うにしても、勿体ないですからね。

 

 

 

 

 

不良姿勢から起こる機能障害として有名なのは腰痛です。

 

 

 

 

 

腰痛は有訴率40~50%、既往歴は70~80%にものぼり、慢性疼痛疾患として現代医療でも大きな課題とされている。

 

 

 

 

 

今まで特異的腰痛と非特異的腰痛では、原因のわかっている特異的腰痛は全体の15%。

 

腰背部の痛みを呈し、腰部に起因するが下肢に神経根や馬尾由来の症状を含まないもの、と定義されている非特異的腰痛は85%とされていました。

 

 

 

 

しかし、最近では75%が非特異的腰痛である、などの数字データも散見されています。

 

 

 

 

 

この問題は、「筋・筋膜性腰痛」や「上殿皮神経障害」、「外側大腿皮神経障害」など現場レベルのドクターがどこまで把握し、検査しているかが疫学での統計データに関連するんじゃないかな?と考えてます。

 

 

 

 

 

 

 

 



さて、

 

 

腰痛なかでも、スウェイバック(SW)や腰椎過前弯(LO)といった不良姿勢は、腰痛発症との関係が強く指摘されています。

 

 

 

 

静的姿勢を読み解くのは色々な教科書で紹介されていますが、

 

重要なのはあくまで「歩行」という動的課題における体幹・股関節の筋活動に焦点を当て、不良姿勢が与える影響を知ることです。

 

 

 

 

 

 

 

研究内容は、腰痛既往なしの15名を対象とし、歩行課題はトレッドミル上で、以下の3種の姿勢条件をランダム化して実施してます。

 

1、骨盤直立位(ニュートラル:NU)

2、スウェイバック(SW)

3、腰椎過前弯(LO)

 

 

 

 

筋電図(EMG)測定部位は以下です。

・体幹表層筋群:腹直筋、外腹斜筋、脊柱起立筋

・体幹深層筋群:内腹斜筋、多裂筋

・股関節表層筋群:大腿直筋、縫工筋

・股関節深層筋群:腸腰筋

 

 

 

 

筋電図を当てて、歩行時の筋活動ではどのような結果が得られたのか?

 

 

 

 

スウェイバック姿勢では、

・表層筋:腹直筋、大腿直筋、縫工筋が過活動

・深層筋:内腹斜筋、腸腰筋が活動低下

 

 

これらのことから、

腹腔内圧の保持機構が崩れ、腰部へのメカニカルストレスが増大する可能性があります。

 

 

 

腰椎過前弯姿勢では、

・背部:脊柱起立筋、多裂筋が過活動

・腹部:内腹斜筋が活動低下

※多裂筋は高緊張でありながら、筋萎縮を同時に起こすことが多い!

 

 

 

 



静的検査では予測できていたことでも、動的検査になると、あらためて同じような”姿勢戦略”を取っているということが研究データからも読み解けます。

 

 

 

 

 

 

ここからは小田嶋の考察です。

上記の結果から、「背臥位」の状態でも「立位」の状態でも支持基底面が増えていても構造の状態は同じである、と言える。

 

 

 

 

 

 

このことからCAPで実施しているような「重心整体」は背臥位の状態から重心の動きを促し、重心から構造の問題を探していくアプローチです。

 

 

 

 

 

背臥位で重心の動きが促されれば、寝返りー起居ー起立ー歩行までの流れが良くなることは容易に想像できるかと思います。

 

 

 

 

 

論文を読むことは大事ですが、臨床でどのように活かせば良いのか?

どのような思考に繋げればいいのか?

この辺を日々の臨床でも研鑽していきたいですね。

 

 

 

 

 

それではまた書きます!

 

 

 

 

ー小田嶋庸介

 

 

 

 

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以上

 

2018年5月23日 制定

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自己紹介

小田嶋 庸介

25歳で独立開業し整体院 晴々の院長を務める。包括的疼痛アプローチ研究会(CAP)代表。

 

【所有資格】

・理学療法士
・認定心理士
・スポーツシューフィッター(ポドローグ)
・アロマアドバイザー
・ノルディック指導士
・ファスティングマイスター

 

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