テクニック
2024/04/28(日)
仙腸関節の疼痛について
こんにちは!
小田嶋です。
仙腸関節由来の腰痛や、仙腸関節そのものの疼痛を訴える患者様は少なくありません。
論文によっては、腰痛において30-50%は仙腸関節由来という内容も散見されます。
仙腸関節は靭帯によって強固に保護されており、メカノレセプターも豊富です。
そのため、床反力と重力から受ける体の影響を無意識下で感知し、外力に対して体をどのように動かすかを瞬時に判断しています。
仙腸関節の疼痛があると、ワンフィンガーテストにて仙腸関節や殿部外側に疼痛があると訴えることが多いです。
そして、圧痛を調べると
・仙結節靭帯
・後仙腸靭帯
・ASISの内側部
この辺のポイントに出やすいです。
仙腸関節においては靭帯との連結が強く、痛みの受容を靭帯が担っているため、「仙結節靭帯」と「後仙腸靭帯」はとても大切な検査対象となります。
そして後仙腸靭帯はPSIS付近まで走行しているので、改めて確認していきましょう。
解剖図を示します。
青い印の部分は後仙腸靭帯を示しています。
図を見ると二股になっています。
下部は仙結節靭帯と連動しており、そのままハムストリングスまで伸びます。
後仙腸靭帯の上部は殿部まで伸び、「中殿筋」と連結しています。
中殿筋は”前部線維”と”後部線維”に分かれます。
線維が違うということは、作用が異なるということです。
中殿筋前部線維は、股関節外転+屈曲
中殿筋後部線維は、股関節外転+伸展
携帯のメモ機能に追加すると良いかと思います。
そして、後仙腸靭帯のトラブルは、特に中殿筋後部線維との関連性が強いです。
中殿筋後部線維がトラブルを起こす理由として、重心が前側に固定されることで、体幹は屈曲しやすくなります。
すると、股関節は屈曲で固められ、中殿筋後部線維は遠心性収縮にて重心バランスが崩れないように制動します。
その為、重心がつま先側に固定され、静的評価で足趾が屈曲している患者様はほとんどの割合で中殿筋後部線維はトラブルを起こしていると言っても過言ではありません。
中殿筋後部線維のポイントは下の図で示します。
ここで圧痛があったり、筋膜テストをして疼痛が軽減するようであれば、治療対象として介入していけると痛みの軽減に繋がるはずです。
ぜひ臨床で実践してみてください!
それではまた書きます。
ー小田嶋庸介
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以上
2018年5月23日 制定
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自己紹介
小田嶋 庸介
25歳で独立開業し整体院 晴々の院長を務める。包括的疼痛アプローチ研究会(CAP)代表。
【所有資格】
・理学療法士
・認定心理士
・スポーツシューフィッター(ポドローグ)
・アロマアドバイザー
・ノルディック指導士
・ファスティングマイスター
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